阿寒湖のまりも
2020.12.23
こんにちは。札幌ギガクリニックです。
今回は、北海道の自然に生息する天然記念物の中から釧路市にある阿寒湖の「マリモ」について書いてみたいと思います。
「マリモ」とは淡水に棲む深緑色の球体を形成する藻類の一種です。マリモというと球体のかわいらしい姿を想像しますが、元は糸状の形をしていてその多くは岩などに付着して生活しています。阿寒湖に生息するまりもは、単独で丸い姿を形成することから日本の特別天然記念物に指定されています。
マリモは光合成をして育つ生き物で、阿寒湖はある程度の水の透明度が確保されており、その形は本来糸状をしていますが、生息する深さまできちんと太陽光が届きやすく生きていくための糧を得やすい環境であることと、マリモは水質が悪化に弱く次第に死滅してしまうとされており、その生息域は阿寒湖をはじめ北海道のチミケップ湖、青森県の小川原湖、山梨県の山中湖、河口湖、本栖湖などのある程度の水質が維持されている湖に限られています。上記の湖でも30cmを超える大きなマリモに育つのは、阿寒湖と小川原湖のみです。なお、阿寒湖にはニジマスやイトウ、イワナ、アメマス、コイの他に、レイクロブスター(ウチダザリガニ)などが生息し、釣りやグルメでも人気があります。
水質の他に、乾燥に弱く強風などで起きた波により打ち上げられるなどして簡単に死んでしまったり、また、泥に覆われるなど光合成を阻害する要因によっても死滅します。泥などが付着した場合は、波にあおられることによりその泥を落としています。この波にあおられた際に起こる回転運動によって折り重なって群生しているマリモが動き、下にいたマリモに日の光が当たるようになることで群生するマリモ全体で光合成ができるようになります。
阿寒湖のマリモは波に揺られることにより球場に育ちます。阿寒湖に生息するマリモのように30cmを超える体躯になると、波や風の影響を受けやすくなり湖岸に打ち上げられやすくなります。これまでは前述のように岸に打ち上げられそのまま乾燥し枯死してしまう場合もありますが、打ち上げられたマリモはバラバラになりその欠片をもとに球状のマリモへ成長することが分かっています。
阿寒湖のマリモは1921年に国の天然記念物に指定され、後の1952年には特別天然記念物に指定されています。それ以後、観光資源としても地元では重宝されておりお土産や地元のマスコットとしても長年愛されています。先にも述べましたがマリモの生育には一定の水質が必要です。その水質を維持するために地元や観光に訪れる人たちが一緒になりマリモの生息域の維持に努めています。
今回は、北海道、阿寒湖のマリモについてお話させてもらいました。
お読みいただきありがとうございました。