パキシル
ED治療薬などの処方を行っているクリニック等で「従来の早漏症薬」等と書かれている薬剤です。
パキシルはパロキセチンを主成分とするグラクソ・スミスクライン社が開発した選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)です。適応症はうつ病・うつ状態、社会性不安障害、パニック障害などです。
2012年6月に国内で承認を取得しました。早漏症への適応はありませんが、副作用の射精障害の作用により射精時間延長が一部の方に認められることから、早漏症治療薬として適応外使用されています。
パキシルの海外における早漏治療効果のデータ報告によると、パキシル20mgを服用した場合に治療開始前IELT(Intravaginal Ejaculation Latency Time:膣内への挿入後から射精するまでの時間の平均値)が平均24秒だった被験者が4週間の性交5時間前のパキシル20mg服用で34秒~90秒に改善、また同じ服用方法による早漏症改善率は10~30%と報告されています。
一部の方に射精時間の延長が認められる事と、早漏症適応外ながらもある程度の治療実績があることで、当院ではパキシルの取り扱いを継続させていただいております。
副作用として、傾眠、嘔気、口渇、便秘、頭痛、めまい、食欲不振、射精障害などが挙げられます。
また、SSRI、SNRI、3環系抗うつ薬、その他の医薬品などでセロトニン作動性をもつものは併用禁忌となります。(例:Lトリプトファン、トラマドール、トリプタン、リネゾリド、セイヨウオトギリソウ、リチウム)これらの医薬品を服用中の方はその薬剤を中断したとしても、14日以内はパキシルの服用禁忌となりますので注意が必要となります。
これらセロトニン作動性をもつ医薬品を服用中の方は医師とご相談ください。