ウゴービとは?肥満症治療に用いられるGLP-1受容体作動薬
「体重を減らしたいけれど、食事や運動だけではなかなか改善しない」
「肥満による健康への影響が気になる」
肥満症の治療では食事療法や運動療法に加えて、薬による治療が行われることがあります。
ウゴービはその治療に用いられる薬の一つです。
GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬で、日本では肥満症に対して一定の条件のもとで承認されています。
この記事ではウゴービの作用や期待される効果、使用方法、副作用、治療を受ける際の注意点について、医学的な情報に基づいてわかりやすく解説します。

💡この記事でわかること
| ✓ ウゴービについての基礎知識 ✓ ウゴービはどのように作用する?食欲や体重への影響 ✓ ウゴービはどのような人が治療の対象になる? ✓ ウゴービの使用方法・投与量について ✓ ウゴービの副作用・注意点 |
ウゴービについての基礎知識
ウゴービはセマグルチド(遺伝子組換え)を有効成分とする注射薬です。
GLP-1受容体作動薬という種類の薬に分類され、日本では肥満症の治療薬として承認されています。
GLP-1はもともと体内に存在するホルモンの一つで、食事をすると腸から分泌され、脳や消化管などに作用して食欲や食事量、胃の働きなどに関わっています。
ウゴービに含まれるセマグルチドはこのGLP-1と似た働きをすることで、食欲や食事量に影響を与え、体重減少につながると考えられています。
ウゴービはどのように作用する?食欲や体重への影響
GLP-1受容体が刺激されることで、食欲を抑える方向に働き、食事量が減少することで体重減少につながると考えられています。
胃の内容物が小腸へ移動する速度を遅くする作用もあり、満腹感が持続しやすくなることがあります。
このようにウゴービは単純に「脂肪を燃焼させる薬」というものではありません。
食欲や食事量などに作用することで、体重減少を促す薬と考えるとわかりやすいでしょう。
臨床試験ではどの程度の体重減少が確認されている?
ウゴービの有効性については、国内外で臨床試験が行われています。
日本人の肥満症患者を対象とした第III相試験(4382試験)では、セマグルチド2.4mgを投与した群で、68週時点の体重変化率がベースラインから平均-13.4%でした。
また、68週時点で5%以上の体重減少を達成した患者は82.9%(160/193例)でした。
海外の大規模なSTEP 1試験では、肥満または過体重で体重関連の健康障害を持つ成人1,961人を対象に、68週間の試験が行われました。
セマグルチド投与群ではプラセボ群と比較して体重減少が大きく、5%、10%、15%、20%以上の体重減少を達成した患者の割合も高くなりました。
(なお、この試験では全員が食事のカロリー制限と身体活動の増加にも取り組んでいます。)
ウゴービはどのような人が治療の対象になる?
日本で承認されている肥満症に対するウゴービの治療は、一定の条件を満たす方が対象となります。
具体的には以下の条件が定められています。
- 高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかがある
- 食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない
- 以下のいずれかに該当する
- BMIが27kg/m²以上で、2つ以上の肥満に関連する健康障害がある
- BMIが35kg/m²以上
このようにウゴービはBMIだけでなく、肥満に関連する健康状態なども含めて治療の必要性が判断されます。
「自分はウゴービによる治療を受けられるの?」と気になる方は、まず医師に相談してみましょう。
診察ではBMIや健康状態などを確認し、ウゴービによる治療が適しているかを医師が判断します。
ウゴービの使用方法・投与量について
ウゴービは週1回、皮下注射する薬です。
通常は0.25mgから開始し、4週間ごとに0.25mg → 0.5mg → 1.0mg → 1.7mg → 2.4mgと段階的に増量し、最終的には2.4mgを週1回投与します。
(ただし、患者さんの状態によっては減量することがあります。)
最初から高い用量を使用するのではなく、少ない用量から開始して徐々に増量するのは、吐き気や下痢などの胃腸症状が起こる可能性を抑えることなどを目的としています。
胃腸症状が強く出た場合には増量を延期したり、用量を減らしたりすることがあります。
その際は自己判断で投与量を変更せず、医師の指示に従って使用してください。
ウゴービの副作用・注意点
ウゴービの使用では吐き気、下痢、便秘、嘔吐などの胃腸症状がみられることがあります。
これらはウゴービによる治療でみられることのある主な症状です。
特に治療を開始した時期や、投与量を増量した際には体調の変化に注意しながら治療を進めます。
ウゴービは医師の診察・指導のもとで使用する医療用医薬品ですので、治療中に気になる症状や体調の変化があった場合は、自己判断で中止したりせず、必ず医師に相談しましょう。
ウゴービを投与できない・投与を避ける必要がある人
以下に該当する場合はウゴービを使用できない、または使用について慎重な判断が必要です。
使用できない主なケース
- ウゴービの成分に対して過敏症の既往がある
- 1型糖尿病
- 糖尿病性ケトアシドーシス
- 糖尿病性昏睡または前昏睡
- 2型糖尿病で、重症感染症や緊急手術などにより血糖管理を優先する必要がある場合
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある
また、妊娠を予定している場合にも注意が必要で、最適使用推進ガイドラインでは、2か月以内に妊娠を予定する女性ではウゴービの投与を中止することとされています。
慎重な判断が必要な主なケース
- 膵炎の既往がある
- 重度の胃腸障害や胃不全麻痺がある
- 腹部手術や腸閉塞(イレウス)の既往がある
- 低栄養、飢餓状態、食事摂取量が不足している
- 高齢者
- 過度のアルコール摂取がある
などが挙げられます。
さらに甲状腺に関する注意事項もあります。
甲状腺髄様癌の既往や、甲状腺髄様癌・多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴がある方では安全性が確立していません。
該当する場合は、必ず診察時に医師へ伝えてください。
なお、ウゴービと同じ成分であるセマグルチドを含む他の製剤や、他のGLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬との併用についても注意が必要です。
他のGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬などを使用している場合はウゴービと併用しないように注意が必要なため、こちらも必ず医師に伝えてください。
まとめ
ウゴービはセマグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬で、日本では一定の条件を満たす肥満症の治療薬として承認されています。
食欲や食事量などに作用することで体重減少につながり、国内外の臨床試験でも体重減少効果が確認されています。
一方で、吐き気や下痢、便秘、嘔吐などの副作用が起こることがあり、急性膵炎や胆道系疾患など、注意が必要な副作用もあります。
注意したいのは「痩せるためなら誰でも使用できる薬」ではありません。
日本で承認されている適応や使用条件を確認したうえで、医師が治療の必要性を判断することが重要です。
また、治療を受ける場合はウゴービだけに頼るのではなく、食事・運動などの生活習慣の改善を続けながら、医師の指示に従って治療することが大切です。
ギガクリニックでは患者様の状態を確認したうえで、ウゴービによる治療が適しているかを医師が診察します。
ウゴービによる肥満症治療について気になることがある方は、まずはギガクリニックへご相談ください。
ウゴービについてよくある質問(Q&A)
Q. ウゴービはどのような薬ですか?
セマグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬です。
食欲や食事量などに関わるGLP-1の働きを利用することで、食事量を抑えやすくし、体重減少を促す作用があります。
日本では一定の条件を満たす肥満症の患者さんに対する治療薬として承認されています。
食事療法や運動療法と組み合わせながら、体重や健康状態の改善を目指す治療に用いられます。
Q. ウゴービはどのくらいの体重減少が期待できますか?
日本人の肥満症患者を対象とした臨床試験では、セマグルチド2.4mgを68週間投与した場合、平均で13.4%の体重減少が確認されました。
ただし、実際の体重減少には個人差があります。
ウゴービによる治療とあわせて、食事や運動などの生活習慣を見直すことで、健康的な体重管理につなげていくことが大切です。
Q. ウゴービは毎日注射する必要がありますか?
いいえ。ウゴービは週1回の皮下注射で使用する薬です。
通常は0.25mgから開始し、4週間ごとに0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgと段階的に増量していきます。
少ない用量から始めて徐々に増量することで、体を薬に慣らしながら治療を進めていきます。
具体的な投与量は、患者さんの状態を確認しながら医師が判断します。
Q. ウゴービは食欲にも作用しますか?
はい。ウゴービの有効成分であるセマグルチドはGLP-1受容体に作用し、食欲や食事量に影響します。
そのため食事量を無理に我慢するのではなく、食べ過ぎを抑えやすくすることで、体重管理をサポートすることが期待されます。
また、胃の内容物が小腸へ移動する速度を遅くする作用もあり、満腹感に影響するとされています。
Q. ウゴービはどのような人が治療の対象になりますか?
ウゴービは、単に体重を減らしたいという目的だけで使用する薬ではなく、一定の条件を満たす肥満症の患者さんが治療の対象となります。
高血圧、脂質異常症、2型糖尿病などの健康障害があり、食事療法や運動療法を行っても十分な効果が得られない場合などに、医師が治療の必要性を判断します。
「自分はウゴービによる治療を受けられるのか」と気になる場合は、まず医師に相談してみましょう。
Q. ウゴービによる治療では食事や運動も必要ですか?
はい。ウゴービによる治療では、食事療法や運動療法を組み合わせることが重要です。
ウゴービによって食欲や食事量をコントロールしやすくしながら、食事内容や身体活動などの生活習慣も見直すことで、より良い体重管理を目指します。
薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善と組み合わせて取り組むことが、肥満症治療では大切です。
参考情報
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ウゴービ皮下注」医療用医薬品情報
- 厚生労働省「セマグルチド(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(肥満症)」
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ウゴービ皮下注 審議結果報告書・審査報告書」
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記事監修

総院長菅原 俊勝
- 2004年(平成16年)
- 秋田大学医学部医学科卒業
- 2014年(平成16年)
- ユナイテッドクリニック(現 ギガクリニック)池袋院
- 2021年(令和3年)
- 医療法人社団 淳康会 高森会 理事就任
- 2021年(令和3年)
- 大宮院管理医師、総院長就任
