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花粉症とEDの意外な関係

公開日 公開日:2025.06.11
更新日 更新日:2025.12.15

花粉症とEDは一見するとまったく関係のない症状のように思われがちです。しかし近年、花粉症のつらい症状や治療薬、さらには季節特有のストレスが男性の性機能に影響を与える可能性があることが分かってきています。
「花粉症の時期になると、なぜか調子が出ない」「薬を飲み始めてから違和感を感じる」――そんな経験はありませんか?
このページでは花粉症とEDの意外な関係性について原因や注意点を分かりやすく解説していきます。

💡この記事では下記の情報を得ることができます

花粉症とEDの意外な関係性について
抗ヒスタミン薬の副作用と性機能
精神的ストレスとEDの関係

花粉症とEDの意外な関係性について

春や秋になると多くの人が悩まされる花粉症。

花粉症は体内でヒスタミンが大量に分泌されるアレルギー反応です。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった典型的なアレルギー症状に加え、集中力の低下や睡眠障害など、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
近年、注目されているのが「花粉症がED(勃起不全)に影響を及ぼす可能性」です。一見無関係に思える両者ですが、実は複数の側面から関係していることがわかってきています。
まず、ED(勃起不全)の発症には血流障害やホルモンバランス、心理的要因、自律神経の乱れなど、さまざまな因子が関与します。

ヒスタミンは血管拡張を引き起こしますが、慢性的な炎症状態が続くと血管機能が低下し、陰茎への血流が十分に確保されにくくなる可能性があります。EDは「血流障害」が大きな原因のひとつであるため、花粉症体質の方は影響を受けやすいと考えられています。

さらに花粉症に伴うくしゃみ、鼻づまり、目のかゆみは、夜間の睡眠の質を低下させ、自律神経のバランスを崩す要因となります。
通常、勃起は副交感神経が優位になったときに発現しやすい生理現象ですが、睡眠不足や長期的なストレスにより交感神経が優位な状態が続くと、勃起が妨げられる可能性があります。
つまり睡眠不足やストレスの蓄積はEDのリスクを高めるのです。

ED(勃起不全)についてはこちらの記事もあわせてご確認ください。:https://giga-clinic.jp/column/1584/

抗ヒスタミン薬の副作用と性機能

花粉症の治療には抗ヒスタミン薬が広く使用されますが、その中でも第一世代の抗ヒスタミン薬は中枢神経に作用しやすく、副作用として性機能への影響が出る場合があります。
勃起には神経伝達物質であるアセチルコリンや一酸化窒素(NO)が関与しており、これらの神経機能が抑制されると、性的刺激に対する反応が鈍くなる恐れがあります。
現在ではアレグラなどの副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬や、点鼻薬、ステロイド療法など選択肢が広がっているため、症状に応じて薬剤を選択することがEDリスク軽減につながると考えられます。
しかし、第二世代の抗ヒスタミン薬でも注意が必要なものもあります。そのお薬がアレグラに血管収縮作用があるエフェドリンを混合したディレグラというお薬です。
このディレグラだけでなく、市販薬にもエフェドリンが入っている場合はそのような作用が出る可能性があります。

精神的ストレスとEDの関係

花粉症の症状が強い時期は「集中力が落ちる」「イライラする」「気分が落ち込む」といった心理的ストレスが増えやすく、心因性EDを引き起こすケースも少なくありません。

花粉症の慢性的な不快感が精神的なストレスや抑うつ気分を引き起こし、それがEDの間接的要因となる可能性もあります。
EDは心理的側面が大きく関与する疾患の一つであり、症状が続くことでパートナーシップへの不安や自己肯定感の低下に発展する例もあります。
花粉症による生活の質(QOL)低下を放置することは、性機能やメンタルヘルスにも悪影響を及ぼしかねません。症状がつらい場合には、耳鼻科やアレルギー科だけでなく、泌尿器科や心療内科とも連携して治療を進めることが望ましいです。
また、十分な睡眠、禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事といった生活習慣の見直しも、ED改善には重要です。

まとめ

花粉症とED。一見、無関係に思える両者ですが、身体の恒常性を保つメカニズムという視点から見ると、密接に関係している可能性があることが分かります。花粉症が「季節性の不快症状」として軽視されがちですが、その影響を全身の健康という広い視野で捉えることが、患者にとって本質的なケアにつながるでしょう。

花粉症シーズンにEDを感じたらできる対策

  • 眠気や性機能への影響が少ない花粉症薬へ切り替える
  • 睡眠環境を整え、自律神経を安定させる
  • アルコールや喫煙を控え、血流を改善する
  • 症状が続く場合は、ED治療薬や専門医への相談を検討する

症状を我慢せず、適切な花粉症対策とあわせて当院(ギガクリニック)のような専門のクリニックに相談することで、改善が期待できることもあります。季節の変化に左右されない健やかな毎日を保つためにも、早めの対応を心がけましょう。

出典:日大医誌「性機能障害とその治療薬」

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記事監修

ギガクリニック総院長 菅原 俊勝

総院長菅原 俊勝

2004年(平成16年)
秋田大学医学部医学科卒業
2014年(平成16年)
ユナイテッドクリニック池袋院
2021年(令和3年)
医療法人社団 淳康会 高森会 理事就任
2021年(令和3年)
大宮院管理医師、総院長就任