勃起ってなぜ起きる?原理など基本的な仕組みを解説
勃起はなぜ起きる?
その仕組みを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。
勃起は単なる血流の変化だけでなく、脳・神経・ホルモン・血管といったさまざまな要素が連動して起こる生理現象です。
そこで今回は、勃起がなぜ起きるのか?
その原理など基本的な仕組みをわかりやすく解説していきます。

💡この記事では下記の情報を得ることができます
| ✓ 勃起が起こるメカニズム ✓ 勃起力が下がる主な原因 ✓ 勃起に関するセルフチェックや改善方法 |
そもそも勃起とはどのような現象か
性的興奮が起こると、脳は脊髄と神経を通して信号を送ります。この信号はホルモン反応を引き起こし、陰茎のスポンジ状の組織「陰茎海綿体」に血液が大量に流れ込み、充血することで陰茎が硬く膨張します。
血液は陰茎の全長にわたって走る2つの海綿状の空間である「海綿体」を満たします。血液が陰茎に流れ込むと、陰茎から血液を運び出す静脈が圧縮され、陰茎内の血液が効果的に保持されます。このプロセスによって、ペニスは硬くなり、勃起中も硬さを保ちます。
勃起が起こるメカニズムを4つのステップで解説

ステップ1:性的興奮などの刺激を脳が感知する
視覚、聴覚、触覚、想像などの情報から性的刺激が脳に伝わると、脳の中枢が興奮し、陰茎へ向かう神経を活性化します。
ステップ2:脳から陰茎へ神経を通じて指令が送られる
脳からの信号が陰茎の海綿体神経を通じて伝わり、一酸化窒素(NO:Nitric Oxide)が放出されます。
ステップ3:陰茎海綿体の血管が広がり血液が流れ込む
一酸化窒素(NO:Nitric Oxide)は血管平滑筋を弛緩させ、陰茎動脈の拡張を引き起こします。拡張した血管から大量の血液が陰茎海綿体へ流入します。
ステップ4:海綿体が血液で満たされて硬く大きくなる
海綿体はスポンジのような構造をしており、血液で満たされると膨張し、陰茎が硬くなることで勃起します。海綿体が膨張すると外側を走る静脈が圧迫され、血液の流出が抑えられます。そうすることで勃起を維持しています。
興奮が冷めると勃起が収まる仕組み
性的刺激が収まると、一酸化窒素(NO:Nitric Oxide)の分泌が止まり、新しいcGMPが作られなくなります。同時に、体内に存在するPDE5(ホスホジエステラーゼ5)が活性化することでcGMPを分解して不活性化させます。このことにより血管平滑筋が再び収縮され血流が減り、静脈が開放され、海綿体の血液が引いて勃起が収まります。
睡眠中に勃起する「夜間睡眠時勃起」の理由
夜間睡眠時勃起(nocturnal penile tumescence;NPT)は、主にレム睡眠中に脳が活性化し、自律神経のバランスが変化することで起こります。このとき副交感神経が優位になり、性的刺激がなくても自然に勃起が起きるのです。夜間に定期的に勃起が起こることで、陰茎組織に十分な酸素と血液が供給され、正常な機能を維持しています。
詳しくはこちらをご覧ください:(朝立ち(朝勃ち)はなぜ起こる?男性の健康との関係性も解説)
勃起力が低下する際に考えられる主な原因
加齢による身体機能の変化
年齢を重ねることで血管や神経の働きが衰え、自然と勃起力も低下しやすくなります。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病
血流が悪くなることで陰茎への血液供給が不十分になり、勃起が難しくなることがあります。
精神的なストレスや不安などの心理的要因
心の緊張やプレッシャーは自律神経のバランスを崩し、性的反応を妨げる原因になります。
テストステロンなどホルモンバランスの乱れ
男性ホルモンの分泌量が減少すると、性欲の低下や勃起力の衰えにつながることがあります
詳しくはこちらをご覧ください:(勃起力とは?低下の原因は?|高める方法と硬さ・持続力アップの秘訣)
勃起力の低下が気になったときのセルフチェックや改善方法
セルフチェック方法
- 勃起の硬さや持続時間に変化がないか確認する
- 性的な興奮や欲求を感じにくくなっていないか意識する
- 就寝中や朝に自然な勃起が起きているかをチェックする
改善方法
- バランスの良い食事と無理のない運動を習慣にする
- 睡眠時間をしっかり確保し、ストレスを溜めないように心がける
- タバコを控え、アルコールの摂取量も適切に管理する
- 自己判断せず、必要があれば泌尿器科など専門医に相談する
勃起に関するよくある質問
男性の勃起に関する悩みや疑問は、多くの方が抱えているものです。正常な性機能を保つためには、正しい理解と適切な対処が重要です。以下に、勃起に関するよくある質問を紹介しますので、ご自身の状態や疑問にあてはまるものがあれば参考にしてください。
なぜ勃起するのですか?
勃起は単なる「気合」ではなく、脳・神経・血管・ホルモンが連携する精巧な生理現象です。
視覚や触覚、思考などの刺激が中枢で処理されると副交感神経を通じて一酸化窒素(NO)が放出され、陰茎海綿体からcGMP(サイクリックGMP)が生成されることで、陰茎海綿体の平滑筋が弛緩、血管が拡張して動脈から血液が大量に流入します。
海綿体が膨らむと静脈が圧迫され血液が抜けにくくなり、硬さが維持されます。
ED薬は、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)というcGMPを分解することで勃起を鎮める役割のある酵素の働きを抑えることで、陰茎の血流を増やして勃起を助けます。
勃ちやすい人の特徴は?
勃ちやすさは「血管」「神経」「ホルモン」「心理」の4つの柱で決まります。
血管面では、陰茎の海綿体へ動脈血が速やかに流れ込み、静脈が圧迫されて血が抜けにくくなることが肝心です。若年で動脈や微小血管が健康な人はこの血流反応が良く、勃起しやすくなります。
神経面では、性的刺激を伝える副交感神経や感覚神経の機能が重要で、神経障害があると反応が鈍くなります。
ホルモン面ではテストステロンが性欲と反応性を支え、テストステロンが少ないと勃起しにくくなる可能性があります。
心理面(不安・ストレス・睡眠不足)は自律神経を乱し、勃起のしやすさに影響します。
逆に糖尿病や高血圧、動脈硬化、喫煙、過度の飲酒は微小血管や末梢神経を損ないやすく、勃起機能を低下させる代表的な要因です。
したがって「すぐ勃つ」人は生理的に血管・神経・ホルモンが整っていることが多く、年齢や生活習慣で変わるため若々しく健康で居続けることが大事と言えるでしょう。
興奮せずとも勃起するのはなぜですか?
性的興奮を自覚しなくても勃起が起こるのは生理的に普通のことです。睡眠中のレム(REM)期に自律神経や血流の変化で起きる夜間勃起、あるいは局所的な刺激で生じる反射性勃起は、いずれも海綿体への血流増加が原因です。これらは性機能が正常である指標ともされ、朝立ちもその一例です。
その他の例として、学校やお仕事中、通勤・通学途中にウトウトしたときに勃起してしまったことはありませんか?それはリラックス状態に傾く副交感神経が優位になることで海綿体への血流が増加することが原因です。
普段は「身体がちゃんと働いているね」と安心できるサインと思ってよいでしょう。
すぐ勃ってしまうのは病気ですか?
勃起は性的な刺激だけでなく、睡眠中の生理現象(朝勃ち)や、リラックス時の神経反応、衣類などによる軽度の機械的刺激などでも起こる自然な反応です。一部では膀胱の圧迫が影響するという説もありますが、科学的な根拠はまだはっきりしていません。特に若い男性や感受性の高い人に多く見られます。また、緊張や不安といった心理的な要因が引き金になることもあります。
こうした勃起は異常ではありませんが、頻繁すぎて気になる場合は、深呼吸や意識を別のことに向けるなどの対処が効果的です。性的な映像やコンテンツ、自慰を控えめにすることで感度を落ち着かせたり、運動や十分な睡眠で心身のバランスを整えることも大切です。
日常生活に支障がある、あるいは勃起が長時間続いて痛みを伴うような場合には、泌尿器科での相談をおすすめします。
勃起を維持する方法はありますか?
勃起を維持するための方法は、原因によって異なります。原因は大きく「器質性」「心因性」「薬剤性」に分けられます。
身体的な要因である「器質性」は、血管の健康・血流を良くすることにより改善が見込めます。
まず基礎的対策として、有酸素運動・体重管理・禁煙・節酒といった生活習慣改善や血糖・血圧コントロールにより、血管内皮(血管の内壁)機能を整え、海綿体への血流を改善することが大切です。
精神的な要因の「心因性」では、ストレスやプレッシャーが勃起を妨げることがあります。パートナーとの関係性の見直しや、リラックス法の実践、必要に応じてカウンセリングを受けることで改善が見込めます。
服用している薬剤が要因の「薬剤性」では、一部の降圧薬や抗うつ薬などが影響することがあります。自己判断で中止せず、医師と相談し代替薬を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
性的刺激で始まる勃起反応は、中枢・末梢神経、血管、ホルモンなどが連動して成立します。これらのいずれかが影響を受けると、勃起の硬さや持続、角度に変化が生じることがあります。加齢、生活習慣(喫煙・飲酒・運動不足)、慢性疾患、精神的ストレスなどが代表的な原因です。
「以前より硬さが落ちた」「勃起が続かない」「角度が変わってきた」と感じたら、早めの受診で原因把握と適切な対処が可能です。ギガクリニック(ユナイテッドクリニック)では、医師による診察のもと患者様に合った治療方法をご提案いたしますのでどうぞお気軽にご相談下さい。
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記事監修

総院長菅原 俊勝
- 2004年(平成16年)
- 秋田大学医学部医学科卒業
- 2014年(平成16年)
- ユナイテッドクリニック池袋院
- 2021年(令和3年)
- 医療法人社団 淳康会 高森会 理事就任
- 2021年(令和3年)
- 大宮院管理医師、総院長就任
